赤目四十八瀧心中未遂
2006年1月29日 映画
数年前の日本映画賞を総なめにした文芸モノ。
原作の独特の世界と、映画の個性的な出演者たちにひかれ
ぜひ観てみたいと探しまわっていたけれど
近所のレンタルショップには置いてあるはずもなく。
電車に乗ってTSUTAYAまで出かけ借りてきて鑑賞。
嫌いではない。
昔のATGとか荒戸事務所の作品とか、もともと好きだし
原作を壊すことなく、うまく映像化していると思う。
出演者たちもすばらしい。
だけど致命的なことが一点。
どうして現在になってしまっているのだ。
これは原作通り20年以上前だからこそ成立する話なのだ。
たとえば当時のアマを知っている人間なら
原作の世界がなにも非現実的な絵物語でないとわかるだろう。
ちょうどこの話の舞台となった頃、私は初めてアマを意識した。
滅多に乗らない阪神電車で尼崎駅に停車した時
何気なく街並を眺め、空気を吸い込んだ。
なんて街だ、と思った。
私が生まれ育った大阪の下町よりももっと凄いもの
混沌雑然とした中に底知れぬ暗さとエネルギーを秘めて
いったん降り立てばそっくり呑込まれてしまいそうな恐ろしさ
思わず『さぶいぼ』が立ったあの感触は今も忘れられない。
昭和50年代。
高度成長の陰に置き去りにされた人と街。
しかし華やかな表舞台を底辺で支えていたのは
彼らであり、こうした土地だったのだ。
今、私はほとんど毎日阪神尼崎の駅のホームに降り立っている。
そこは他の街となんら変わらないありふれた駅のホームであって
あの頃感じた空恐ろしさのかけらも残っていない。
それを知っているから余計にね、
大真面目であるだけに余計にね、
残念でならないんだ。
私は、原作に描かれている『あの頃』のアマを、
その中でのアヤちゃんや彫眉さんを見たかったんだ。
ヒロイン寺島しのぶ。
男どもを引きつけてやまないほどの美しさに欠けることが惜しい。
けど、時々ものすごく良い表情をする。
そして、深い、深い演技のできる女優だと思った。
次は「ヴァイブレータ」を借りてみよう。
ちなみに今の尼崎を見たかったら「下妻物語」をどうぞ。
原作の独特の世界と、映画の個性的な出演者たちにひかれ
ぜひ観てみたいと探しまわっていたけれど
近所のレンタルショップには置いてあるはずもなく。
電車に乗ってTSUTAYAまで出かけ借りてきて鑑賞。
嫌いではない。
昔のATGとか荒戸事務所の作品とか、もともと好きだし
原作を壊すことなく、うまく映像化していると思う。
出演者たちもすばらしい。
だけど致命的なことが一点。
どうして現在になってしまっているのだ。
これは原作通り20年以上前だからこそ成立する話なのだ。
たとえば当時のアマを知っている人間なら
原作の世界がなにも非現実的な絵物語でないとわかるだろう。
ちょうどこの話の舞台となった頃、私は初めてアマを意識した。
滅多に乗らない阪神電車で尼崎駅に停車した時
何気なく街並を眺め、空気を吸い込んだ。
なんて街だ、と思った。
私が生まれ育った大阪の下町よりももっと凄いもの
混沌雑然とした中に底知れぬ暗さとエネルギーを秘めて
いったん降り立てばそっくり呑込まれてしまいそうな恐ろしさ
思わず『さぶいぼ』が立ったあの感触は今も忘れられない。
昭和50年代。
高度成長の陰に置き去りにされた人と街。
しかし華やかな表舞台を底辺で支えていたのは
彼らであり、こうした土地だったのだ。
今、私はほとんど毎日阪神尼崎の駅のホームに降り立っている。
そこは他の街となんら変わらないありふれた駅のホームであって
あの頃感じた空恐ろしさのかけらも残っていない。
それを知っているから余計にね、
大真面目であるだけに余計にね、
残念でならないんだ。
私は、原作に描かれている『あの頃』のアマを、
その中でのアヤちゃんや彫眉さんを見たかったんだ。
ヒロイン寺島しのぶ。
男どもを引きつけてやまないほどの美しさに欠けることが惜しい。
けど、時々ものすごく良い表情をする。
そして、深い、深い演技のできる女優だと思った。
次は「ヴァイブレータ」を借りてみよう。
ちなみに今の尼崎を見たかったら「下妻物語」をどうぞ。
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