くらり音子さんへ。
貴女のあげてらした『Neue Musik』ではなく
あえて、このアルバムで語らせて下さい。

「彼女は知らないなら 友達になるわ
 それしかあなたに会うチャンスは無いもの、今は」

ハタチの私は、この歌詞の「彼女」「あなた」を
固有名詞思い浮かべて歌っていました。

この歌だけじゃない、このアルバムの歌、すべて。
しかも「あなた」の車の中で、「彼女」も一緒に聴いて、歌って
”それはオレへの当てつけかぁ〜”と苦笑いさせてやりました。

そんな私にとって、この歌詞は「昔を思って」に他なりません。
でも、悲しいんじゃない。
未練がない、と云えば嘘になるけど、もう、終わったこと。
歌って、吐き捨てることで、前に進む力に変えるの。
再起と云えば再起なんだけど
それは再び「あなた」をモノにすることではなく
もっとイイ女になって、もっとイイ男を掴んで
どうよ!って感じで「あなた」に会うの。
これって、ただの強がり? そうだよね。。。

別離=失敗を、正当化、美化したいだけだったんだな、と
今は、はっきりとわかります。

真珠のピアスを「彼のベッドの下に片方捨てた」のも
「昔の彼に会うのなら、ちょっとキレイにしていく」のも
ヨリを戻したいんじゃない。
戻れないことはわかりきってるもの。
「あなたに相応しいのは私じゃない」のだから。
やがて月日が過ぎると
「向かい側、ホームの端にあの人が立っていた」
この頃にはすでに「あの人」と云えるようになっていて
思いっきり懐古にふけるんだけれど、だけど結局
「呼べずに、呼べずに、時は去き」
でも「その時、苦しみが消えてゆくのを見た」
そして「あなたは私のグレーのしみになる」んですよ。
で、締めくくりは「忘れないでね」。

アルバム通して聴くと、当時の典型的な女性像が見えてきます。
そしてそれに見事にハマっていた、ハタチの私!
ほんと、そのまんまじゃん。

ユーミンの歌は、大好きだし、詩も曲も完璧だけど
論じるほど奥深くはない、と、私は思います。
たぶんユーミン自身もそういうの望んでないだろうとも。

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