脳硬塞の後遺症で唾液すら飲み込めなくなってしまったMさんが
発症から3ヵ月近くになって、一挙に回復を始めた。
まずはゼリーやプリン、ヨーグルトを数匙ずつ。
次第に飲み込む量も速度も増してきてミキサー食へ。
そして今日はついにお粥&キザミ食を完食できた!
本人ももちろんだけど、私もむちゃくちゃ嬉しくて
思わずバンザイしてしまった。
前任者から引き継いだものの、これまで経験のない症例で
勉強会資料と首っ引きで手探り状態だったから。

そんな私にMさんは言ってくれたのだ。
「前の先生の時は、訓練、訓練って無理にノドを押さえ付けたり
 もう痛くて痛くて、それやのにうまく行かなくて
 ダメやなぁって落ち込んでばっかりやったのに
 モモさんは何もしなかったでしょ。
 ただ私が自然と良くなるのを待って根気良く見守ってくれた。
 だから私もリラックスして自分のやり方でやって来れた。
 そのおかげで、こんなに早く回復出来たと思うのよ」

そんなことない!
何もしなかったんじゃなくて、どうしたらいいのかわからなくて
見守るしかなかったというのが本音なの。
先輩のやった痛い訓練も、回復には必要だったのよ。
Mさんの病気は時期が来れば回復するもので
たまたまタイミング良く私が居合わせただけ。

だけど、Mさんの言葉は、とてもとても嬉しかった。
反省点も明らかになったけれど、
わたしのやってたこともあながち間違ってなかったのかな、なんて
ちょっとだけ自信も持てた。
というか、リハビリの真髄が隠れているようにも思えた。

こういうのが、この仕事をやってて本当に良かったなと思える瞬間。
そしてMさんの言葉のおかげで、またもう少し頑張れるなと思う。

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